< https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/?term=30617318 >
・・・わが国でも、生活習慣の欧米化に伴う虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など)の増加や、高齢化による高血圧や弁膜症の増加などが指摘されてきています。それらの進行による心不全の患者さんも急増しています。心不全は、まさに心機能不全という心疾患の終末像であり、全国で約120万人に至るとされています。2030 年には130 万人に達すると推計されています。

 50歳代での慢性心不全の発症率は1%であるのに対して、80歳以上では、10%になることが報告されています。超高齢化社会に至ったわが国では、今後さらに増加の一途をたどることが予想されており、こうした状況を、感染症患者の爆発的な広がりになぞらえて「心不全パンデミック」と最近、呼ばれ始めています。

 当然ながら、心不全は心臓の週末像ですので、そこに至る前段階において、より早く発見し、対処が望まれます。心不全に関しては、近年「無症候性左室機能不全(Asymptomatic left ventricular dysfunction : ALVD)」という概念が注目されています。ALVDは人口の1.4~2.2%を占めるとされており、高齢者では、その割合は9%に上ります。しかしながら、これまでは、その有効な診断法がありませんでした。

 今回の、米国Mayo Clinicからの報告では、人工知能(AI)を用いて、心電図と心エコー検査をもとに、約10万人近くの患者を研究対象として、心機能の推移を検証した結果、かなりの精度で、後の心機能低下を予測できると示しています。