前回・前々回は、タンパク質を話題にしました。慢性腎臓病の食事療法で、なぜタンパク質の制限が必要になるかを、とりあげました。その一方で、極端なタンパク質制限は必ずしも有効でない、それどころかリスクが高まる可能性があります。今回は、血液中のさまざまなタンパク質の中でも、半数以上を占めるアルブミンをとりあげます。

 基準値は、測定方法にもよりますが、おおよそ、3.9~4.9 g/dLです。

 なぜ、このAlb(アルブミン)が大切かというと、ひとことで言うと、栄養状態を表しています。栄養状態をみる検査項目は、他にもあるのですが、特に、腎臓病患者さんでは、重要な栄養状態の指標です。簡単な例でいうと、普段は食事制限を厳格に守っていて、旅行に行ってとか、このお正月などで、ついつい食べ過ぎたという状態で、定期的な診察に訪れる患者さんがいらっしゃいます。

 すると、その影響で、タンパク尿が増えていたり、血清クレアチニン、尿素窒素、尿酸の値などが、軒並み上昇しているのですが、一方で、貧血が改善していたり、リンパ球数が増加したりと、本来望ましい変化も同時にみられることが頻繁にあります。これは、厳格な食事療法は、ときに、十分なエネルギーや栄養素が不足する状態に至ることを示しています。

また、前回も「腎臓リハビリテーション」の項で触れましたが、骨量や筋肉量の維持、ひいては、長期的なQOLやADLの維持にも重要であるということです。その詳しい理由は、次回の後編へ